甘い秘密をそっと教えて?

一体どうして、こうなったのか聞きたいけど。

恥ずかしくて聞けない。


いつまでも黙っていると彼が言った。

「俺は寝込みを襲うほど下劣な男じゃない」


え?

アタシは彼の言葉の意味をゆっくりと理解する。


ああ、やってしまった。

寝てしまったんだ。


もう何やってんだ!!

せっかくのチャンスだったのに。

アタシのアホアホアホ。


きっと昨日の寝不足と今日の緊張でこんなことに…。

樫原くんと久我さんといるときから疲れてたもんなあ。


はあー。


「あの…、その
スミマセン、スミマセン。
自分から言っといてこんな…」


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