大切なもの
「ケホッ…」
頭いた…。

と、その時…ガラッ、とドアが開いた音が聞こえる。
樹かな…?
でも、いくらなんでも早い…。

「いつ…「ねぇ、サボっちゃって、よかったの?」

“樹?”と呼ぼうとしたら…

亜弥ちゃんの声が、した。

「いいんだよ。どうせ俺のクラス化学で、実験だし。
適当にダチにプリント借りて写す。
亜弥のクラスだって、亜弥の嫌いな数学だろ?」
「うっ、そうだけど…」

「それに俺は、亜弥といたい」
「バカ…」

なにこれ、なにこれ、なにこれ…。

なんで…?

「ねぇ、カーテン閉まってるから…誰かいるんじゃないの?」
「どうせ、寝てんだろ。いいじゃん、気にしなくて。イチャイチャしよ」
「っ…//颯くんって、意地悪…」

2人の会話を聞くのが……

辛い…っ。


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