大切なもの
シャッ、と隣のカーテンが開いた。
そして、ギシッ、とベッドがきしむ。

「ん!!そ…うく…!」

リップ音が、保健室に響く。

「好きだよ、亜弥」
「あたしも…好き…っ」

やだ、やだ、やだ…!

「っ…」

涙で視界がにじむ。
嗚咽が、漏れる…。
ダメ、起きてること…バレちゃうよ…!
私は両手で口を抑える。

だけど…

2人のやりとりを聞くのが、嫌で。

耳も、抑えたい…。

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