大切なもの
そして…

シャーッと、隣のカーテンが開けられる。
「隣に病人がいんだ。出てけ」
「い、樹っ!?」
「キャッ」
「出てくから、ちょ、カーテン閉めてくれ」

カーテンが閉まり、そして、
「悪かったな、樹」
そう颯太の声が聞こえ、保健室から出て行った。

……樹?

シャーッと、カーテンが開けられた。

「っ!!」

「いつ…っ」

と、その時…

樹が、私を抱きしめた。

「辛いなら、泣くなら…俺にしろよっ!!!」

「え……」


< 104 / 219 >

この作品をシェア

pagetop