大切なもの
教室へ行くと、誰もいなかった。
当たり前か、みんな化学室だ。

俺はノートの端を破り、田原に置き手紙をした。

《沙和早退させる。俺、送り届けるから、
俺ら2人早退したって先生に言っといて。
悪い。  野上》

「さ、急がねーと」

俺は早歩きで保健室へと向かった。

ドアを開けると…

聞き覚えのある声がした。

「っ、」

これって…颯太の声?

そして、甘い…女の声。

アイツ…っ!!


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