大切なもの
次の日、私は回復していた。

学校へ行くと、ゆっこがすごい勢いで抱き締めてきた。
「ゆ、ゆっこ!?」
「沙和ぁぁ!心配したんだからね!!??」
半泣き状態のゆっこ。

「心配かけて、ごめんね、ゆっこ。私なら、もう大丈夫」
「ホント?」
「ホントだよ」

今、こうして笑っていられるのは…

「沙和、はよ」
「樹っ!おはよ」

樹の、おかげ。

「田原も、はよ」
「おはよう、野上っ!」
「沙和、もう平気か?」
「うん♪完全回復だよっ」

そう言うと、樹はおでことおでこをくっつけてきた。

………っ!!??
「いいいいい樹!?////」
「ん。ホントに熱、ねぇみてぇだな」

そう言うと、おでこを離す。


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