大切なもの
「沙和のことだから、また無理してんじゃねぇかと思ったけど…。
心配しすぎたみてぇだな」
「もう…。心配性だよ、樹は…」

私たちのやりとりに、ゆっこがポカンとしている。

「ちょ、え?なに、その甘い雰囲気……」

あ…まだ、言ってなかったんだ。
ゆっこ…幻滅しないかな…?

「ゆ、ゆっこ…。あ、あのね」
「俺ら、付き合うことにしたんだ」
「あ、そうなんだ!!沙和、野上、おめでとぉ!!」
「サンキュ」
「あ、ありがとゆっこ」
「沙和、お昼休みちゃんと聞かせてね」
「うん…っ」

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