大切なもの
そしてあたしたちは教室に戻った。

「野上っ」
「なに?」

樹は、ゆっことは普通に会話する。
あまり素っ気なくない。
それは、ゆっこが他の女子みたいに媚びたりしないからだ。
てか、ゆっこは樹にまるっきり興味がないしね(笑)

「沙和のこと、大切にしてあげてよ?
泣かせたりしたら、招致しないから!」

「フッ。分ってるよ。約束する。
――沙和の事、大切にするよ」

「その言葉、信じてる」

樹って…私の話するとき、あんな表情してるんだ…。

「……//」


あんなにも、穏やかで……

優しい顔を。




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