大切なもの
「応援、来てたんだね?」
「うん。亜弥ちゃんは……颯太の応援?」
「うん//沙和ちゃんも…颯くんの?」
「……あたしは、樹の応援だよ」
「あ、そうなんだぁ!」
「うん」

しばらく、沈黙が続く。

「あ、そういえば」
亜弥ちゃんがなにかを思いだしたかのように、声を出した。
「あたし、沙和ちゃんに謝りたいことがあるの」
「謝りたいこと……?」

亜弥ちゃんからの“謝り”は………


とても、あたしを辛くさせるものだった。


「あの雨の日…。ううん、颯くんと沙和ちゃんがデートする日のことなんだけど…」

どくどくと、胸が鳴る。
嫌だ、聞くのが……、嫌だ…。

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