大切なもの

「き、聞こえてたよ。嫌いかも、しれないけど…教科書。
教科書なきゃ、授業中不便でしょう?
…一緒にみようよ」

なんなの、コイツ。
あんな言い方したら、他の女子は怒り出す。
なのに、コイツは……

「先生ー!野上くんに教科書見せてあげるんで、席くっつけますね」

「嫌いな女だけど、我慢してね♪」


違うのか…?

こいつは、素で……


こんなにも、優しいのか…?



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