大切なもの
「亜弥、さっきの全部聞いた。どういうこと?」
俯いている亜弥。

…泣いてるのか?
そう、思ったのに…

「フフッ…アハハハハッ!聞かれちゃったか~」

亜弥は、笑っていた。

「どういうことって、聞いたままだけど?」
「っ!」
「なに驚いてんの?このあたしがあんたなんかに本気になるとでも思ったの?
ハハっ、マジうけるんだけど。あんたってさ、本当重いんだよね。
好き好き言えばいいってもんじゃないの。
てか、キモイ」

「亜弥……?」

「付き合ったのも、沙和ちゃんなんかに乗り換えたのがムカついたから。
あたしみたいな可愛い子の次があんな子ってさ、屈辱じゃん?
それにあたし、本命の彼氏いるし。あんたのことなんて、遊びなの。わかる?
調子に乗ってた沙和ちゃんのことも傷付けたことだし、もういいかな」

「どういう…ことだよ、亜弥。
別れるってこと?」

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