大切なもの
side沙和


『 沙和がどんな答えを出しても、沙和のこと応援 するから。 いつだって、沙和の味方だから』
ゆっこの言葉は、あたしにとってとても大きく、そして、とても優しかった。

あたしはベッドに寝そべりながら、瞳を閉じた。

あの日の、颯太の弱々しい声と震えていた手。
それを私は、ふりほどけず、ほおってもおけなかった。

いつだって、優しく包み込んでくれた樹。
あの時の、優しい笑顔。
私は、追いかけれなかった。


なんて、臆病で。

そして、なんて自分勝手なんだろう。

涙が、頬を伝る。


泣いていいわけ、ないのに。

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