大切なもの

戸惑い

「はよ、沙和」

朝練を終えたであろう颯太が話しかけてきた。
バスケ部は試合が近いから、最近朝連があるらしい。

「おはよ、颯太」

颯太の席は、あたしの窓側から3列目の前から2番目。
わざわざ、こちらの席まできたみたい。

「ちょっと颯太くん~、あたしにも挨拶しなさいよ」
「わりぃわりぃ、はよ」
「おは~」

ゆっこに挨拶をした颯太は、私をじっと見てきた。
「なに??」
「髪。いつもだけど、似合ってる」
「えっ!?」

いつも颯太は、適当な返事ばかりだったのに。

「可愛い//」

「っ//」


どうして、そんな甘いことを言うの。


前まで、その真っ赤な顔は。

亜弥ちゃんだけへのものだったのに。





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