大切なもの
――数日後…


バスケ部のは練習試合も終え、朝はいつも通りに登校していた。
「さーわ!今日の放課後暇?」
朝、颯太が私の机に手をつき、前のめりになり聞いてきた。
「え?うん」
「じゃぁさ、放課後遊ぼうぜ!
最近できたパンケーキの店、行こうぜっ」
「わ、ほんと!?あそこ雑誌で見てから行きたいって思ってたの!」
「んじゃ、決まりな」
「あれ、部活は?」
「今日は体育館の電気とかチェックするらしいから休みなんだよ」
「そっか」

キーンコーンカーンコーン
「あっ、んじゃ、放課後予定入れんなよ」

そう言い残し、颯太は席へ戻った。

「だいぶ、普通に話せるようになってきたね」
ゆっこが小声で話しかけてきた。
「…うん。ちゃんと、考えないとって思って。
そうするには、ちゃんと向き合うことが大事でしょ?
ギクシャク喋ってちゃ、そんなことできないからさ」
「そっか。沙和にとってのいい答え、見つかるといいね」
「ありがと、ゆっこ」

――ハッキリしなくちゃ。


颯太のためにも。

…樹の、ためにも。




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