大切なもの

「沙和…、俺とのこと、考えてくれた?」

急に、真面目な顔をして聞いてきた颯太。

「えっ……」

「……そうだよな。そんな早く、決めれないよな。
わり、変なこと聞いて」

「……ん」
「じゃぁ、また明日な」
「…バイバイ」


颯太の背中が見えなくなるまで見送り、家の中に入った。

自分の部屋に行き、ベッドにダイブ。

「………」


一体、私はなにがしたいのかな。

ちゃんとしなくちゃって思ってるのに。

一向に、自分の答えが見つからない。


――…自分のしたいことが、わからない。

早く、見つけなきゃ。

早く。
……早く。




< 191 / 219 >

この作品をシェア

pagetop