大切なもの
もう少しで期末テストに入る。


「ここ、テストにでるぞー」

授業もテストに出るだとか、重要だとかそんなことをプッシュしてくる。
ノートにメモるが、頭には全然入って来ない。

「はぁ……」

夏休み前までには、ちゃんとしなくちゃ、だよね。

バスケ部、休み前までに部活お休みあるかな…。


そんなことを考えているうちに、授業は終わっていた。


「沙和。…沙和ッ!」
「ひゃぁ!そ、颯太!?な、なに?」
「次、選択授業だぞ。移動しなくていいのか?
あと俺、沙和の席でなんだけど」
「え、あ、ゆっこは?」
「ゆっこちゃんなら先に行くって。声かけても無反応だったって言ってたぞ」

私ってばボーっとしすぎ。

はぁ、と頭を抱えながらため息をつく。

「…具合でもわりぃのか?」
そう言って顔を覗き込みながら聞いてきた。

「大丈夫だよ、ありがとう颯太」
「ならいいけど、無理すんなよ?」

そう言ってわしゃわしゃと頭を撫でた。

「じゃぁ、行ってきます」
「おう」

ニカッ、と笑った颯太をみて、私は教室をでた。



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