大切なもの
「ば、バカ…!?」
「……ごめんな、沙和」
颯太は辛そうな顔をしながら言った。
「俺、沙和のことたくさん傷つけた。
沙和と付き合ってるのに…亜弥のところに行った。
デート……行かなくて、ごめん。
樹と幸せそうにしてたのに…ぶち壊してごめん。
沙和にすがって…ごめん。
弱くて…ごめんな」
「颯太……」
「泣くなよ、沙和」
「ごめんな、沙和。
いっぱい、いっぱいごめん。
…好きになってくれて、ありがとな。
今まで沙和に言った言葉には…嘘なんて、なかったよ。
ちゃんと、沙和が好きだった」
「ありがとっ…颯太っ…ヒック…ッ…」
「樹、今日部活の当番だから、たぶん今頃学校でたぞ。
……伝えるんだろ?
…頑張れ、沙和!」
そう言った颯太は、いつもの笑顔をみせていた。
「ありがとう、颯太。
頑張るね。
…大好きだったよ…!!」
そう言って私は教室を出た。