大切なもの
side颯太



『ありがとう、颯太。
頑張るね。
…大好きだったよ…!!』


そう言って、沙和は教室を出ていった。

沙和…たくさん傷つけて、ごめんな。

こんな俺を好きになってくれて、ありがとう。


「…好きだよ、沙和」


ちゃんと、ほんとに…好きだったよ。

亜弥を好きと言っていたのに、自分でも矛盾してるってわかってる。


だけど。


ちゃんと、大事で、大切で。
かけがえのない存在だったんだ。

沙和の笑顔が、大好きだった。


ずっとその笑顔をみていたいと思ったんだ。
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