大切なもの

病院を聞き、俺は走った。
受付で沙和のことを言い、案内してもらう。

そこには、大泣きしている沙和の両親、田原。
そして、肩を震わせながら田原を支えている、颯太がいた。

「颯太、田原…」
「野上…っ」
「樹…」

「なぁ、どういうことだよ。
なんで…、なんで沙和が事故に…!?」

「帰るときに信号待ちしてたら…曲がってきたトラックの荷物の下敷きになったらしい…」

颯太はそう説明した。

「颯太は、怪我なかったのか?」
「俺はその時…一緒にいなかったから」
「……え?」

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