大切なもの
「俺、部活終わってから沙和に話あるって言われて。
…振られたんだ。自分にとって本当に大切な人がわかったからって。
…樹が、大切だって」
「……え……」
「そのあと、沙和は樹の家に向かう途中で…」
「そんな……」

俺を……?

でも。
俺を追いかけたせいで、沙和は…。

「樹、お前、この事故は自分のせいだって、言わねぇよな?」
「っ、」
「ふざけんな。これは、誰のせいでもねぇだろ」
「けど…」
「野上…、自分を責めないで…。
沙和は自分でだしたんだよ。
自分で、大切な人の答えをだしたの。
それが、あんたなの…!
沙和は今、戦ってんだよ!!??
あんたが、自分のせいだなんて思ってたら、沙和だって自分のこときっと責める。
あたしたちは、今。誰のせいとかそんなことじゃなくて。
沙和の無事を祈ることが今すべきことでしょう!?」


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