大切なもの
「なぁ、イチゴミルクって、上手いの?」
市川はすげぇおいしそうに飲むから、気になった。

「へ?おいしいけど…飲んだことないの?」
「おう」
「えぇ!?それ、絶対にもったいない!」
もったいないってなんだよ。

「じゃぁ、一口頂戴」

そう言って俺は市川の飲んでいたそれを飲んだ。
こんなことする今日の俺は、やっぱりおかしい。
つーか…

「甘っ!」
なに、この甘さ。

「そ、そりゃイチゴミルクだから、甘いに決まってるじゃん」
「ふぅん。俺のも飲む?」
「い、いただきます」
「…にが~~~」
ま、ブラックだしな。

「フッ、お子様だな」

そう意地悪言った俺は、やっぱりおかしい。

「う、うるさいっ!」

顔を赤くして怒ったこいつを…


不覚にも、
可愛いと思ってしまった。


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