大切なもの
帰りのHR――


「えー、平井は放課後残って雑用なー」
「はぁ!?なんでっすか!!??」
「お前今日俺の授業で寝てたろ」
「う゛…わかりました」
「よし。じゃぁ他のものは気をつけて帰れよ―」

あ~あ、颯太可哀想に。

「…つぅことで、沙ー和ちゃん♪手伝ってくれるよな?」
「はぁ、仕方ないなぁ」
こんなこと言ってるけど、内心嬉しい。
放課後、2人きりでいれる…。

「なに、沙和は颯太の手伝いすんの?」
「うん!」
「そ。じゃぁ頑張れよ」
「ありがとう!樹バイバイ」
「じゃぁな」

樹が出て行き、教室は私と颯太だけになった。


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