大切なもの
「で、仕事ってなんなの?」
「今度ある集会のプリントのホッチキス止めだってさ」
「それくらい先生達でやればいいのにね」
「だよな~~。はぁ、さっさとやろうぜ」
「うんっ」

「でもさ、樹のモテさはスゴイよな」
「うん!颯太羨ましいんじゃないの~?」
「べっつに~」
「ははっ、強がっちゃって~~」
2人で喋りながら作業をしていると、教室のドアが開いた。

「あ、よかった。颯くんまだいた♪」

なんで…いるの?
なんで…。
どうして…

「亜弥!」

亜弥ちゃんが、ここに来るの――……?

「亜弥、どうした?」

颯太は席を立ち、亜矢ちゃんのもとへ向かった。


とても、嬉しそうに――……。

さっきまでは…
私と笑いあって話してたのに――……。

まるでそこに、私はいないみたいで…

――苦しい。



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