大切なもの
「ね、颯太…」
「ん?」
「颯太は、まだ…亜弥ちゃんが好き?」
「えっ//」
分りやすすぎだよ、颯太。
「…私じゃ、代わりにはなれない?
私じゃ、
亜弥ちゃんの代わりになることはできないの!?」
「え、さ……わ?」
「好きなんだよ。私…颯太のことが好きなんだよ…っ!!」
「え、あ、え…?」
「ねぇ…っ、私のことも、見てよ。
颯太の好きな髪型…、亜弥ちゃんと同じ髪型だよ!?
颯太のために頑張って伸ばした!!
颯太、好きだよ。大好きだよ。
亜弥ちゃんを、見ないでよ。
私を、見てよ…!」
「俺、は…」
「…考えといて。
…ごめん。私、帰るね」
私は鞄を持った。
私は教室を出た。
言っちゃった……。
――言っちゃった!!