大切なもの
side颯太


突然、仲のいい友達、沙和からの告白。
沙和が…俺を好き?

『ねぇ…っ、私のことも、見てよ。
颯太の好きな髪型…、亜弥ちゃんと同じ髪型だよ!?
颯太のために頑張って伸ばした!!
颯太、好きだよ。大好きだよ。
亜弥ちゃんを、見ないでよ。
私を、見てよ…!』

沙和は、どれだけ辛かっただろう。
どれだけ、苦しかっただろう。
俺は、沙和を…無意識に傷付けていた。

好きなヤツから、恋の相談をされるなんて…俺には耐えられない。
なのに、沙和は…
いつも、笑って聞いてくれていた。
俺の背中を、押してくれた。

俺は、どうすればいいのだろう?

“重い”という理由で振った元カノの亜弥。

俺を笑顔で見守ってくれ、好きと言ってくれた友達の沙和。


どちらを選べば、俺は幸せになれるのだろう…?


俺は、ガキだった。

俺は、自分のことしか考えていなかったんだ。

傷付けて、ごめん。




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