大切なもの
side沙和


次の日、学校でまともに颯太と喋れなかった。

まぁ、颯太は樹と話していたけど…。
帰ろうとしたとき、

「沙和っ」

呼びとめられた…。

「そう…た」
「ちょっと、いいか?」
「っ、うん。いいよ」

返事、だよね。

振られるなんて、分ってる。

だけど、ちゃんと…颯太の言葉で聞かなくちゃ。


ちゃんと、諦めなくちゃ。


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