大切なもの
「沙和の気持ち聞いて、ビックリした。
だけど…嬉しかったよ」
「…ん」
「ごめん。俺は、まだ亜弥を忘れられない…」
「…ん」
「けど、沙和を好きになりたいって思った」
「…ぇ」
「沙和、俺、まだ亜弥のこと、好きだけど。
沙和を好きになるように頑張る。
だから…付き合おう、沙和」
「…っ、うん。…大丈夫だよ。
忘れさせるから!
私、頑張るから」
「あぁ、期待してっから♪」
颯太はあたしの涙を拭うと…
触れるだけのキスをした。
好きな人との初めてのキスは……
最高に、幸せだった――……。
恋をしない。
そう決めていたけど…
恋をして、よかったです。