大切なもの
「ぅぅ…樹ぃ…ヒック…」
静かな路地裏に、私の泣き声が響いた…。
樹はずっと抱きしめながら、私の背中をポンポンと優しく叩いた。
────………
「…樹、ごめんね」
「もう、大丈夫か?」
泣きやんだ私を見て、樹は体を離した。
「うん。樹のおかげで、スッキリした」
「ったく、無理すんじゃねぇよ」
「…ん」
「また何かあったら、俺に言え。話くらいなら、聞いてやるから」
「ありがと、樹」
と、その時…
グゥゥゥと言う音が鳴り響いた。
「…プッ」
「っ/////」
「ククッ、なんか食べに行くか?」
はい、私のお腹の音です…//
穴があったら入りたい…!!
「う、ん…」
樹はまだ笑っている。
「もう、樹、笑いすぎ!」
「ゴメン、ゴメン。行こうぜ」
私たちはファストフードへ行った。