大切なもの
「沙和、なんないいことあったのか?」
「ヘヘッ、颯太にデートに誘われたんだぁ」
「へぇ、よかったじゃん。で、いつなわけ?」
「今度の土曜だよ」
「あれ、その日俺ら部活だぜ?」
樹は颯太と一緒にバスケ部に入ったんだ。

「部活終わった後に、会ってくれるの///」
「…そっか。楽しんでこいよ?」
「ありがとう、樹っ!!」


この時の私は、楽しみでしかたなかった。


あんな悲しいことになるなんて、思わなかったんだ。

私は、何度…。

何度、あなたを想って涙を流したかな…?

あと何度、涙を流せば…。

あとどれくらい頑張れば…。


──……あなたは、私を好きになってくれますか?


私を好きになる日は、


訪れますか?



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