大切なもの

雨はやむことを知らず、まだまだ降り続ける。
もう、1時間くらい打たれてる。

「颯太ぁ…っ」

どうして、来てくれないの。

「…沙和っ!!」

そう呼ぶ声が、聞こえた。
顔を上げると…

「っ、沙和!」

樹がこっちに向かって走ってきていた。

「…沙和、帰ろ」

私の前に来て、傘の中にいれてくれた樹。

だけど、
私は首を横に振った。
< 76 / 219 >

この作品をシェア

pagetop