大切なもの
side樹


今日は沙和、颯太とデートか…。
12時30分、部活が終わり、真っすぐに家へ帰った。
ベッドの上に寝そべり、そんなことを考えていた。

雨、降りそうだな…。
あいつら、大丈夫かな…。

まぁ、沙和ならデートってだけで終始笑顔だろうけど。


沙和が幸せなら、それでいい。


沙和が笑顔でいれるなら、それでいい。

たとえ、その役目が俺でなく、颯太でも。


いいと、思ってた。


あの一本の電話が、来るまでは。


お前がアイツを泣かすなら、


俺は、お前を許さない。



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