大切なもの
―――15時


雨がザーザーと窓を打ちつけていた。

と、その時。

♪~♪~

俺の携帯が鳴った。
ディスプレイには

【市川沙和】

え、沙和?
アイツ、デート中になに俺に電話してんだよ…。
とりあえず、俺は電話に出た。

【もしもし、沙和?どうした?お前、今デート中だろ?】
「ね、樹…颯太、一緒じゃ…ない?」
途切れ途切れの言葉に、違和感を感じる。

【は?お前らデート中だろ?颯太と一緒じゃねぇの?】
「そう…た、来てない、の」

………は?
ただ、今分ること。

アイツ、絶対に泣いてる…!

【っ!沙和、お前今どこ】
「…○×の時計のとこ…」
【わかった】

俺は急いで家を出た。



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