大切なもの
――休み時間


女子が野上くんの周りに群がる。

「野上くんて、彼女いるの~~?」
「野上くんて、どんな子が好み~~?」

おぉ、スゴイ質問攻め。
イケメンは大変だな。

「おまえの隣、すげぇな」
後ろを向き、私に話しかけてきた颯太。
「だね~。ま、颯太にはこんな状況には一生なんないね」
「んだと沙和~~!?」
颯太は私の頬をつねり、髪をクシャクシャしてきた。

「痛いって――!」
「ハハハッ」
じゃれあっていると、突如隣から聞こえてきた声。

「うぜぇ」





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