大切なもの

ビニール傘を差し、全速力で走る。

頭に浮かぶのは…

『ヘヘッ、颯太にデートに誘われたんだぁ』

そう、嬉しそうに顔を赤らめていた沙和の顔で。

「くそっ…!」

颯太は、なにやってんだよ…!!


もっと、早く。

もっと、早く走りたい。


早く、アイツの元へ、行かないと…!!



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