大切なもの
side沙和


…夢を、みた。

「沙和、ごめん」

そう言って、亜弥ちゃんと腕を組んで…

遠くへ行く夢。

「やだっ、颯太…っ!行かないで…っ」

どれだけ走っても、追いつけないくて。

私は転んで、涙を流した。

「そ…た。嫌っ…」


暗い場所で、たった1人で。


涙を流した。


< 90 / 219 >

この作品をシェア

pagetop