龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
夜明けの嵐は突然に
1
親父、ホントにここにわたしを置いて行く気?
目の前にそびえ立つ純和風な門構えに、はっきり言ってわたしはビビってる。
死んだママのお姉さんちって聞いていたのに
――いたのにですよ
目の前のこれはどう見ても、時代劇の大名屋敷。
インターホンとかある?
キョロキョロとあたりを見回すわたしを尻目に、親父はさっさと敷地に入って行く。
そりゃあ門は開いているけどさ、門番が出て来て取り押さえられるんじゃないの?
「志鶴、早くしなさい」
親父が振り向いて言った。
うん 門番も忍者もいなさそう
手にしたかばんを抱え直して、わたしは門から足を踏み入れた。
親父とママは周囲の反対を押しきっての駆け落ち婚。
だからママの親戚って誰にも会ったことがない。
もっとも親父の方も、介護付きの老人ホームに入居してるおばあちゃんがいるだけだ。
今まで親父とわたしと二人きり、肩寄せ合って仲良く暮らしてきた
――つもりだったのに
目の前にそびえ立つ純和風な門構えに、はっきり言ってわたしはビビってる。
死んだママのお姉さんちって聞いていたのに
――いたのにですよ
目の前のこれはどう見ても、時代劇の大名屋敷。
インターホンとかある?
キョロキョロとあたりを見回すわたしを尻目に、親父はさっさと敷地に入って行く。
そりゃあ門は開いているけどさ、門番が出て来て取り押さえられるんじゃないの?
「志鶴、早くしなさい」
親父が振り向いて言った。
うん 門番も忍者もいなさそう
手にしたかばんを抱え直して、わたしは門から足を踏み入れた。
親父とママは周囲の反対を押しきっての駆け落ち婚。
だからママの親戚って誰にも会ったことがない。
もっとも親父の方も、介護付きの老人ホームに入居してるおばあちゃんがいるだけだ。
今まで親父とわたしと二人きり、肩寄せ合って仲良く暮らしてきた
――つもりだったのに
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