龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「さあ、まずはお部屋に案内するわ!」
彩名さんが明るく言った。
「洋室の方がよろしいわよね?」
「えっ、洋室あるんですか?」
思わずきく。
「そうよね。どうみても武家屋敷ですものね」
彩名さんも苦笑い。
「でも祖父の代に、三階建ての建物を増築しているの。全部洋室よ。一階に図書室とわたしのアトリエがあって、あなたの部屋はわたしと同じ二階に用意したわ。三階は全部弟の圭吾が使っているの」
「ええと……その圭吾さんがこの家のご主人なんですよね?」
「そうよ。三年前に父が急に亡くなって、全てがあの子の肩に乗ることになってしまったの。忙しい子だから、顔を合わせる事は少ないと思うわ」
よかった。
なるべくひっそりと邪魔にならないようにしよう。
二階の渡り廊下を通り、彩名さんが案内してくれたわたしの部屋は、今までの自分の部屋よりずっと広かった。
造り付けのクローゼットがあって、家具はベッドと机と椅子だけ。あまり飾りっ気のないシンプルな感じの部屋で、ほっとした。
「好きに使ってね。足りない物があれば用意させるわ」
彩名さんはニッコリと微笑んで言った。
彩名さんが明るく言った。
「洋室の方がよろしいわよね?」
「えっ、洋室あるんですか?」
思わずきく。
「そうよね。どうみても武家屋敷ですものね」
彩名さんも苦笑い。
「でも祖父の代に、三階建ての建物を増築しているの。全部洋室よ。一階に図書室とわたしのアトリエがあって、あなたの部屋はわたしと同じ二階に用意したわ。三階は全部弟の圭吾が使っているの」
「ええと……その圭吾さんがこの家のご主人なんですよね?」
「そうよ。三年前に父が急に亡くなって、全てがあの子の肩に乗ることになってしまったの。忙しい子だから、顔を合わせる事は少ないと思うわ」
よかった。
なるべくひっそりと邪魔にならないようにしよう。
二階の渡り廊下を通り、彩名さんが案内してくれたわたしの部屋は、今までの自分の部屋よりずっと広かった。
造り付けのクローゼットがあって、家具はベッドと机と椅子だけ。あまり飾りっ気のないシンプルな感じの部屋で、ほっとした。
「好きに使ってね。足りない物があれば用意させるわ」
彩名さんはニッコリと微笑んで言った。