龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
司さんって――校長?


ええええーっ!

優月さんの相手って校長だったのぉ??

じゃあ圭吾さんと校長先生の仲たがいの原因って――

そうか……

そうだったんだ


「感謝されるような事じゃない。もっと早くそうすべきだったんだ」


圭吾さんは落ち着いた声で話してる。


でも、つらくない?


圭吾さんの指はケージを握りしめている。


わたしは圭吾さんに近づいて、服の裾を引っ張った。

圭吾さんは微かに微笑むと、ケージから手を離してわたしの頭を撫でた。


「で、その司はどこ?」


「実行委員席にいるわ。わたしもそろそろ行かなきゃ。圭吾も行く?」


「さっさと行ってよ」

美月が口を挟んだ。

「わたしは誰かさんと違って保護者なんて必要じゃないから」


< 100 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop