龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
その後、散々わたしの世話を焼き、後で迎えに来るからと言い残して、圭吾さんはやっと控所を出て行った。


ああ ちょっとグッタリ


「すっごい猫可愛がりね」


何よ~ 竜田川美月

またケンカを売る気?


「嫌にならない?」


「ちょっと気まずい時はあるわね」

わたしはそう答えて、美月から少し離れた場所に座った。

「でも、わたし一人っ子だから、お兄さんができて嬉しいって気持ちの方が強いかな」


「え、え――――――っ?!」


「な……何よ」


竜田川美月は突進して来た。


「あなた圭吾さんの何?」


思いっ切り詰め寄られて、わたしは体をのけ反らせた。


「……従妹だけど?」


「親が決めた婚約者じゃないの?」


何だ、その韓流ドラマ設定。


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