龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「母親同士が姉妹。うちの親、駆け落ち婚だから親戚とは疎遠だったのよね」


「分かった! あなたと結婚すると見せかけて、お姉ちゃんにヤキモチ妬かせて『やっぱり圭吾が好き』って気づかせる作戦なのよ!」


妄想はそこまでにしておけって!


「でも、お姉さんの気持ちは変わらないみたいじゃない? もうあきらめたら?」


そしてわたしをイビリ倒すのやめてよ


「結婚式当日に圭吾さんが結婚式をぶち壊して、お姉ちゃんを教会から連れ出すとか」


こりない子ね!


「その時は私たちで二人を逃がしてあげましょ」


「ホント? いいの?」


「ただし、あんたが自分で結婚式をぶち壊したら龍の餌の中に頭から突っ込むからね」


「分かった。そんな事しないって約束する」


よし、これでイヤミ攻撃から解放される


「あ……でもあなたは失恋しちゃうのね?」


「いや、圭吾さんはわたしにとっては『お兄さん』だから」

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