龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「ねえ、聞くの怖いんだけど、校長って何人兄弟?」


「男ばかり5人です」


すごっ!

ウルトラ兄弟より少ないだけまだましか



美月の説明によると、子供用の闘龍は障害の種類は大人と変わらないが距離が短いのだという。

龍たちは、まだ小柄な男の子や男の子より背の高い女の子の左腕にちゃんと留まっていたが、赤と白と黄色の龍ばかりだ。


「青龍――といっても緑なんですけどね――は気性が穏やか過ぎて闘龍には向かないんです。

黒は躯体が大きくなりすぎるので大人の男性じゃないと制御できません。

で、一般的にあの三種が使われるんです」


「竜田川さん、さすがに詳しいのね」


「お姉ちゃんにできなくて、わたしが得意なものって闘龍だけなんです。

あっ誤解しないでくださいね。お姉ちゃんは大好きですよ。

でも、やっぱり全敗となるとキツイじゃないですか」


あんたはお姉さん似の美貌があるだけまだましよ。


優月さんを見た後のわたしなんて、地下深くまで落ち込みそうになったわ。

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