龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「行けーっ! 大輔ーっ!」


美月が草むらに突っこんでいきそうな勢いで声援を送った。


「行けーっ! 大輔ーっ!」


こぶしを握り締めて見ていたわたしも思わず叫ぶ。


会場のあちらこちらからそれぞれに声援がとんでいる。


抜きつ抜かれつ龍は飛び続け

最後に

最後にゴールの大扇を落とした者が勝者となる。


赤?

それとも 黄?



龍の絵の描かれた青銀の大扇が落ちた。


「ぃやったぁ―――っ!!」


美月の歓声が鼓膜を痛いほど震わせたけど、わたしは美月と抱き合ってとび跳ねた。




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