龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
4
肩にそっと手を置かれて飛び上がった。
「お疲れさま」
ああ圭吾さんか
「負けちゃった。でも楽しかったぁ」
「彩名から預かってきたよ」
ふわっとかけられたのは薄物の羽織。
圭吾さんが袖を通してきちんと着せてくれた。
外国の映画ならね、
コートを着せかけてもらう女性ってセクシーな大人の女性だけど、今のわたしは手のかかる子供みたい
「あれ?」
圭吾さんはわたしの体をくるっと回して自分の方に向けた。
親指がわたしの左の頬骨をなぞる。
「ケガしてる」
「スタートの時、ユキの羽がかすったからかな。痛くはないよ」
「ならいいけど。もうすぐ日没だから見に行こう」
「ユキはどうするの?」
「あいつらは今日は放っておいていいんだ――美月ちゃん、優月は裏参道で待ってるってさ」
「お疲れさま」
ああ圭吾さんか
「負けちゃった。でも楽しかったぁ」
「彩名から預かってきたよ」
ふわっとかけられたのは薄物の羽織。
圭吾さんが袖を通してきちんと着せてくれた。
外国の映画ならね、
コートを着せかけてもらう女性ってセクシーな大人の女性だけど、今のわたしは手のかかる子供みたい
「あれ?」
圭吾さんはわたしの体をくるっと回して自分の方に向けた。
親指がわたしの左の頬骨をなぞる。
「ケガしてる」
「スタートの時、ユキの羽がかすったからかな。痛くはないよ」
「ならいいけど。もうすぐ日没だから見に行こう」
「ユキはどうするの?」
「あいつらは今日は放っておいていいんだ――美月ちゃん、優月は裏参道で待ってるってさ」