龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
乾いたタオルで髪をふいてもらっていると、
「圭吾がそんな事をするのを見る日が来るとは思わなかったわ」
って、彩名さんが笑った。
「いくらでも言えばいいさ――ああそれと彩名、志鶴を連れて浴衣を仕立てに行ってくれないか?」
浴衣?
「花火大会に連れて行く約束をしたんだ」
「あらステキ! 志鶴ちゃん何色がいいかしら」
「まかせるよ。それと女の子が髪に飾るものも。何をどうつけてるのか僕にはさっぱりだから」
圭吾さんは気がついてたんだ。
わたしが今まで縁日に行かなかったのは、友達がみんな浴衣を着て、髪をアップにしてくるからだって
わたしには浴衣を着せてくれたり髪をセットしてくれる人はいない――
言わずに飲み込んだ惨めな泣き言が溶けて消えていく
幸せな気分になって、フワッって気持ちよくなって、圭吾さんの膝にもたれた
「あっ、こら志鶴! こんなところで寝るな」
だって目を開けていられないんだもの
「圭吾がそんな事をするのを見る日が来るとは思わなかったわ」
って、彩名さんが笑った。
「いくらでも言えばいいさ――ああそれと彩名、志鶴を連れて浴衣を仕立てに行ってくれないか?」
浴衣?
「花火大会に連れて行く約束をしたんだ」
「あらステキ! 志鶴ちゃん何色がいいかしら」
「まかせるよ。それと女の子が髪に飾るものも。何をどうつけてるのか僕にはさっぱりだから」
圭吾さんは気がついてたんだ。
わたしが今まで縁日に行かなかったのは、友達がみんな浴衣を着て、髪をアップにしてくるからだって
わたしには浴衣を着せてくれたり髪をセットしてくれる人はいない――
言わずに飲み込んだ惨めな泣き言が溶けて消えていく
幸せな気分になって、フワッって気持ちよくなって、圭吾さんの膝にもたれた
「あっ、こら志鶴! こんなところで寝るな」
だって目を開けていられないんだもの