龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
カーテンのすき間から差し込む月の光に誘われ、わたしは外へ出た。
テラス窓を開け
螺旋階段を降り
龍たちのいない夜の裏庭に
月明かりの中、岩の上を流れる水の音の他は物音ひとつしない。
静寂で平穏
世界中で自分が一人ぼっちだという気分になる景色だ。
濡れた草の上を歩きながら考え続けた
圭吾さんのどこが問題なのかという彩名さんの問いかけを
『誰のものでもないのなら僕のものにしてしまって何が悪い?』という圭吾さんの言葉を
本当は分かってる
圭吾さんを『お兄さん』に分類してしまう方がわたしにとっては楽なんだ。
ただいるだけで可愛がってもらえるから
優月さんと比べられる事がないから
わたしは卑怯?
でも怖いもの
大切な人はいつもわたしを置いていく
圭吾さんに心を明け渡して、置き去りにされたらどうしたらいいの?
テラス窓を開け
螺旋階段を降り
龍たちのいない夜の裏庭に
月明かりの中、岩の上を流れる水の音の他は物音ひとつしない。
静寂で平穏
世界中で自分が一人ぼっちだという気分になる景色だ。
濡れた草の上を歩きながら考え続けた
圭吾さんのどこが問題なのかという彩名さんの問いかけを
『誰のものでもないのなら僕のものにしてしまって何が悪い?』という圭吾さんの言葉を
本当は分かってる
圭吾さんを『お兄さん』に分類してしまう方がわたしにとっては楽なんだ。
ただいるだけで可愛がってもらえるから
優月さんと比べられる事がないから
わたしは卑怯?
でも怖いもの
大切な人はいつもわたしを置いていく
圭吾さんに心を明け渡して、置き去りにされたらどうしたらいいの?