龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
一人になって、椅子に座ったまま周りを見渡していると、目の端で何か光った。
何かがおかしい。
空気自体が薄い幕になって向こう側が透けているような
目の前にスクリーンがあって、そこに向こう側の光景が映っているような――
すると、本当に目の前の景色がグニャっと歪んで、目に見えない透明なカーテン(にしか思えない!)の間から男の人が出てきた。
幽霊?!
ううん 脚はある
二本
とっても長くて素敵な脚が
ええと……顔も素敵
『イケメン』っていうより『美形』って言ったほうがいいかも
その人は驚いて硬直しているわたしに気づくと、『驚いたな』と、つぶやくように言った。
驚いているのはこっちだってば!
「本物みたいだ」
片手がスッと伸びてきて、わたしの頬に触れる。
ええええっ! ちょっと待って! 何?
暖かい手は、そのままわたしの頬をこめかみまで撫で、髪の間に指を差し込み、肩のあたりまでそっと撫で下ろした。
何かがおかしい。
空気自体が薄い幕になって向こう側が透けているような
目の前にスクリーンがあって、そこに向こう側の光景が映っているような――
すると、本当に目の前の景色がグニャっと歪んで、目に見えない透明なカーテン(にしか思えない!)の間から男の人が出てきた。
幽霊?!
ううん 脚はある
二本
とっても長くて素敵な脚が
ええと……顔も素敵
『イケメン』っていうより『美形』って言ったほうがいいかも
その人は驚いて硬直しているわたしに気づくと、『驚いたな』と、つぶやくように言った。
驚いているのはこっちだってば!
「本物みたいだ」
片手がスッと伸びてきて、わたしの頬に触れる。
ええええっ! ちょっと待って! 何?
暖かい手は、そのままわたしの頬をこめかみまで撫で、髪の間に指を差し込み、肩のあたりまでそっと撫で下ろした。