龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「今年は志鶴様がいらっしゃいますからそれもなくなりますね」

サンドイッチを持って来てくれた和子さんが言う。

「花嫁衣装の用意を始めた方がよろしゅうございましょうか?」


やっぱり、みんな昨日圭吾さんと何かがあったと思ってる?


「えーと、まだ気が早いかなぁ」


「あら残念」

と、彩名さん。

「今朝、圭吾の機嫌がとてもよかったから期待していたのに。いつもは志鶴ちゃんが起きて来るまでものすごい仏頂面なのよ」


ああ……プレッシャー感じる


でも圭吾さんの機嫌がよかったってことは、そんなにわたし、悩むことないのかな。

ゆっくり進めてってお願いすれば、圭吾さんは分かってくれる?


「悩み事?」

彩名さんが優しく聞いた。


わたしは首を横に振って、サンドイッチを食べ始めた。


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