龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「僕が保護者だけど、まさか自分で自分に結納を納める訳にもいかないしね」
圭吾さんがぼやいた。
「それ、そんなに大事なの?」
「特に結納金がね」
彩名さんが茶化すように言った。
「女性側の婚約破棄は倍返しだったわよね。いったいいくら積む気でいたのかしら?」
「黙れ、彩名」
圭吾さんは唸るように言った。
よく分からなかったけれど、どうやら圭吾さんは何かズルをしようとしていたらしい。
「困った人」
わたしは笑いながら圭吾さんの肩に頭を寄せた。
圭吾さんは不満みたいだけど、二人の関係をゆっくり進めたいわたしにはちょうどいいわ。
「手を繋ぐところから始める約束よ?」
わたしがそう言うと、圭吾さんはわたしを抱き寄せて頭のてっぺんにキスをした。
「分かってる」
「でもね――」
わたしは圭吾さんの耳元にそっと囁いた。
圭吾さんがぼやいた。
「それ、そんなに大事なの?」
「特に結納金がね」
彩名さんが茶化すように言った。
「女性側の婚約破棄は倍返しだったわよね。いったいいくら積む気でいたのかしら?」
「黙れ、彩名」
圭吾さんは唸るように言った。
よく分からなかったけれど、どうやら圭吾さんは何かズルをしようとしていたらしい。
「困った人」
わたしは笑いながら圭吾さんの肩に頭を寄せた。
圭吾さんは不満みたいだけど、二人の関係をゆっくり進めたいわたしにはちょうどいいわ。
「手を繋ぐところから始める約束よ?」
わたしがそう言うと、圭吾さんはわたしを抱き寄せて頭のてっぺんにキスをした。
「分かってる」
「でもね――」
わたしは圭吾さんの耳元にそっと囁いた。