龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
二ヵ月ほど前の日曜の事だった。


「実は、海外赴任することになったから」


親父が、いきなりの爆弾発言!


朝ご飯中にだよ。

トーストが、喉に詰まりそうになった。


「期間は三年間だ」


「三年も? じゃあ わたしも一緒に行くの?」


「紛争地域だからお前は行けないよ」


親父の仕事は報道記者。

今までも数日間家を空ける事は何度もあったんだけど……


「お前のことはママのお姉さんに頼もうと思ってる」


えぇ――っ! 誰それ?

ミサイル発言命中!

いやいや……傷はまだ浅い


「そ、その伯母さんちってどこ?」


親父が口にしたのは、全く知らない町の名前。


「『町』? 『市』じゃなくて『町』?」


親父は頷いた。


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