龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「こぢんまりとしているが、過疎というわけでもない。海沿いの、景色の綺麗な所だぞ」


いや、景色なんてどうでもいいって


「学校はどうするの?」


「転校する事になるな」


ああ、もうダメ

完全に爆死

わたし、人見知りなのに


「中学生じゃないんだから、『はい、転校』ってわけにもいかないでしょ?」


「学校は近くに私立高校があるんだ。編入試験もこっちの学校で受けられるらしい」


げっ!

そんなところまで話を詰めてるの?


「そんな面倒臭いコトしなくても、この家で一人暮らしでいいよ」


ダメ元で言ってみる。


「今までのようにはいかない。父さんが行くのは、お前に何かがあっても、帰って来るのに一週間はかかるような場所だ」


「何かって――せいぜい盲腸になるくらいでしょ」

わたしは、ブツブツとつぶやいた。


< 3 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop